開催報告
- 概要
- アンケート結果(おとな)
- アンケート結果(こども)
- 主な掲載・放映実績
2015.07.19 学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2015 大盛況のうちに無事終了しました!
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』とは、ブラックボックス化した現代社会で実感する機会の少ない科学や技術の"プロセス"を子どもから大人まで五感で感じられる場づくりを目指し、既存の枠を超えた多様な主体と連携のもと、学都仙台・宮城の地で、2007年から毎年開催している体験型・対話型の科学イベントです。
9回目を迎える今年度も、本趣旨に賛同する大学・研究所や企業、行政や教育機関など、のべ113団体からご理解・ご協力を賜り、東北大学をまるごと会場にして7月19日(日)に『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2015』を開催し、合計89プログラム(講座プログラム型:40講座・計119回実施、体験ブース型:49ブース)が一斉実施されました。
今年は天気にも恵まれ、おかげさまで大盛況のうちに幕を閉じました。ご来場いただきました8,661人の皆様、ご出展・ご支援を賜りました関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。これからも知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、学都「仙台・宮城」サイエンス・デイを継続的に開催して参りたいと存じます。引き続き、皆様のご理解・ご協力の程よろしくお願い申しあげます。
学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ 出展について
出展内容について
下記2点を満たす体験型プログラムを募集します
① 科学や技術の「プロセス」を感じられること
② 現場の「人」と直接対話できること出展形態について
下記2形態から選ぶことができます(複数出展可)
● 体験ブース型:自由参加型(入退場自由)
● 講座プログラム型:予約申込型(対象年齢や人数を設定できます)
→ 学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2015出展プログラム一覧はこちら
【出展規模】
出展者数:のべ144団体(昨年度:のべ95団体)
プログラム数:のべ120プログラム(昨年度:のべ83プログラム)
◆講座プログラム型:40講座・計129回実施(昨年度:32講座・計90回実施)
◆体験ブース型:80ブース(昨年度:51ブース)
サイエンスデイAWARD賞創設:47個人・団体より計49賞(昨年度:40団体より計42賞)【来場者数】
日 付:7月19日(日)
天 候:晴れ(最高気温32℃)
対 象:こども~おとな
来場者数:8,661人(昨年度:7,382人)フォトギャラリー
サイエンスデイAWARD2015表彰式・交流パーティー開催!受賞者決定!!
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』では、あなたが"よい"と思った出展プログラムに対して、お互いに自分の賞をつくって表彰し合う取組み「サイエンスデイAWARD」を行なっています。"よい"科学や技術とは、そもそも何か?そこにはさまざまな視点があります。サイエンスデイAWARDは、複眼的な視点から評価できるよう、個人・団体問わず誰でも賞を創設できることが、最大の特徴です。
サイエンスデイAWARD表彰式・交流パーティー2015開催報告はこちら
サイエンスデイAWARD 創設された賞・受賞者一覧はこちらご理解・ご協力を賜りました関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。引き続き、皆様のご支援のほどよろしくお願い申しあげます。
開催趣旨
近年、我が国の科学技術研究および産業競争力の強化を実現する「科学技術創造立国」の基盤を揺るがす深刻な問題として、子どもたちの「理科離れ」が叫ばれています。「理科離れ」は単に「個人的に理科が嫌い」という問題ではなく、理科を学ぶ過程で本来養われるはずの「知的好奇心」や「論理的思考力」等の低下を意味しています。その結果として、文理問わず高等教育を理解できない学生が増大し、大学教育の質の維持が著しく困難に陥っているというかたちで問題は顕在化しており、もはや「理科離れ」問題は、国民全体による知の問題、すなわち社会的リスクであると捉えられています。
これらの社会的背景に、社会の細分化・複雑化に伴い、個々は専門家に任せ、表面だけを利用するブラックボックス化が進んだことがあります。その結果、わたしたちは効率性と引き換えに、本来そこにあるはずの自己と対象との関係性を実感することが困難な状況に陥っています。しかしながら本来、自己と対象との関係性の集積が、すなわち社会です。この自己と対象との関係性が見えない危機こそが、個人・地域社会・国レベルでの問題の本質的な原因とnatural science では捉え、そこから解決策を見出していきます。
自己と対象との関係性を実感しやすい範囲として、natural science は社会の中でも特に“地域”に着目します。自分が社会に与えている影響と自分が社会から受けている影響を実感できることで、人は自らの社会的存在意義を自覚し、主体的に活動することができます。このようなひとり一人の内発的モチベーションによる主体的なアクティビティーが、地域をつくり、そして社会全体をつくるドライビングフォースとなります。つまり“地域”こそが、社会をつくる基盤であると同時に、社会全体をつくる原動力として、大きな可能性を秘めているのです。
「科学」の本質は観察からはじまります。対象に直接触れ、自分の目で見て、自己と対象との関係性を五感で感じることなしに、知的好奇心・論理的思考力が養われることはありません。「科学」と言うと「科学は専門家だけが知っていればいい」と自己と科学との関係性を認識しようとしない風潮や、または成果ばかりが注目されがちですが、そこに至るまでのプロセスにこそ、知的好奇心や論理的思考力をはじめとする、科学的なものの見方・考え方、すなわち自己と対象との関係性を構築する姿勢が隠されています。
natural scienceでは、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、「科学」を切り口に、自己と対象との関係性の可視化・再構築の場として機能することを「科学で地域づくり」と位置づけ、日々の科学教育プログラムの開発・実施のほか、大学・研究機関や企業、行政・教育機関等と連携し、2007年から毎年、体験型科学イベント『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を開催しています。『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、「“科学”って、そもそもなんだろう?」をテーマに、製品や成果等の“結果”だけでなく、科学や技術の“プロセス”を五感で感じられる場づくりを通じて、子どもから大人まで、各人各様の感じ方から自己と対象との関係性を可視化・再構築する場として機能することを目指すものです。
そもそも人間は生まれながらにして知ることを欲する存在です。そして生まれた創造物が共有されることは喜びです。この認識に立つ時、科学は人の本性に根ざすものとなり万人のものとなるでしょう。こうした共感の輪を生み出す循環こそが、人間の本来持つ内発的モチベーションがさらに発揮され、次、その次に登場する科学や技術が継続的に生み出され、わたしたちの心豊かな社会が達成されていく土壌となるはずです。
知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造に資することを願い、今年も『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を開催いたします。皆さまのご理解・ご協力・ご参加を、心よりお待ち申し上げております。
特定非営利活動法人 natural science
企画概要
?科学のプロセスを五感で感じる ・ 科学で地域が見える?
社会の成熟化に伴い、科学や技術はブラックボックス化し、わたしたちは便利さと引き換えに、科学や技術の“プロセス”を五感で感じる機会を失ってきました。しかしながら、科学や技術のもたらす“結果”のみを一方的に享受するだけの姿勢では、科学離れや科学リテラシー不足などの社会的リスクを回避することはできません。
一方で「仙台・宮城」は、「科学」という切り口で見ると、大学・研究機関、民間企業や行政・教育機関等が密集し、研究者や技術者等が日々、研究・開発等の活動を行う、わたしたち市民の生活と科学・技術が隣り合わせで存在する、古くから「学都」と呼ばれる地域です。
この地域の特性を活かし、「科学って、そもそもなんだろう?」をテーマに、大人も子どもも、普段科学に触れている人も触れていない人も、科学や技術の背景にある“人”や“プロセス”を自らの五感で感じられる場として、『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を毎年開催します。
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、「科学」を切り口に地域を再発見し、関係性再構築の場として機能することで、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造に資することを目指します。
ステップと期待する効果
ステップ① 科学の"プロセス"を体験
各出展団体の現場の"人"が「おもしろい」と思う"プロセス"を形にした体験型プログラムを通じて、普段なかなか実感できない"プロセス"を体感することで、子どもから大人まで各人各様の感じ方から自然な形で興味・関心が喚起される。
ステップ② 研究者や技術者等の現場の"人"との対話
喚起された興味・関心は各人 各様であり、それぞれの人が「知りたい」と思うところから、研究者や技術者等の現場の“人” との対話を通じて、各自が興味・関心を深めることができる。
ステップ③ 年間を通じた科学イベントへの参加
本企画の"見本市"的な特徴を活かし、「学都仙台・宮城サイエンスコミュニティ」会員登録により、各出展団体が開催する一般むけ科学イベント(一般公開や市民むけ講座など)情報を市民へ直接的・継続的に配信できるシステムをつくることで、年間を通じて市民が科学に触れられる機会を増やす。
ステップ④ 生活の中で関連事項と遭遇
本企画は地域資源で構成されているため、本企画終了後も、市民が普段の生活の中で関連事項と遭遇する機会は多い。これまで何気なく利用していた製品や成果等の"結果"を見ても、本企画をきっかけに"プロセス"があることを想像でき、興味・関心が継続し、身近に感じられる効果が期待される。
ステップ⑤ 毎年恒例イベントとして参加
毎年開催により認知度は高まりつつあるが、今後も地道に連携機関を増やし、地域の毎年恒例イベントとして定着化を図ることで、科学・技術に興味・関心のある人から、普段は科学イベントにあまり参加しない人まで、幅広い層が科学・技術を楽しむことができる場を地域に創出していく。
ステップ⑥ お互いに応援し合うコミュニティへ
各主体の取組みについて、各主体や市民がお互いに応援し合ったり、表彰し合えるしくみ(サイエンスデイAWARD等)をつくることで、相互理解を深めながら誰もが主体的に科学に参加できる持続可能な『学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ』の構築を目指していく。
今年の新しいポイント
■「学都仙台・宮城サイエンスマップ」に科学イベント情報掲載(約230,000部配布)
『学都「仙台・宮城」サイエンスマップ』(県内の全公立小・中学校、出展高校等を通じ、
全児童・生徒分約23万部、6月下旬~配布予定)に科学イベント情報を掲載できます。
■「学都仙台・宮城サイエンスマップ~光編~」を当日ガイドブック付録として掲載
地域の研究・開発内容を、光の性質と関連させて、電磁波の波長ごとに紹介します。
■科学イベント情報告知システムを利用できます(コミュニティ会員:約3,500人)
学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ市民会員(約3,500人:2015年3月現在)に科学イベント情報を発信できるWEBシステムを利用できます(無料)。
開催概要
- 名 称
- ①学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ 2015
②サイエンスデイAWARD2015表彰式・交流パーティー - 日 時
- ①2015年7月19日(日) 9:00~16:00
②2015年7月24日(金)13:00~表彰式、16:30~交流パーティー - 会 場
- ①東北大学川内北キャンパス 講義棟 (宮城県仙台市青葉区川内41)
②東北大学カタールサイエンスキャンパスホール(宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6)会場となる東北大学内に、駐車場はございません。 路上駐車場及び周辺施設への駐車は、固くお断りいたします。 ご来場の際には、公共交通機関をご利用ください。
- アクセス
- 仙台駅からのアクセス
- 主 催
- 特定非営利活動法人 natural science (2007年6月設立)
- 共 催
- 東北大学、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 東北センター、宮城県、仙台市教育委員会、仙台高等専門学校、東北大学カタールサイエンスキャンパス、 特定非営利活動法人 物理オリンピック日本委員会
- 協 賛
- 株式会社ユーメディア、一般財団法人みやぎ産業科学振興基金
- 後 援
- 仙台市、宮城県教育委員会、東北経済産業局、 東北学院大学、東北工業大学、公益社団法人応用物理学会東北支部、一般社団法人東北経済連合会、一般社団法人みやぎ工業会、学都仙台コンソーシアム、仙台商工会議所、 公益財団法人東北活性化研究センター、仙台管区気象台、国立研究開発法人理化学研究所、仙台市PTA 協議会、宮城県中小企業団体中央会、公益社団法人日本技術士会東北支部、 一般社団法人宮城県発明協会、 NHK仙台放送局、東北放送、 東日本放送,仙台放送、ミヤギテレビ、 エフエム仙台、 河北新報社、 読売新聞東北総局、産経新聞社東北総局、 朝日新聞仙台総局、 毎日新聞仙台支局、日刊工業新聞仙台総局
- 入 場 料
- 無料
- 来場対象
- こどもからおとなまでどなたでも
- 来場見込
- 約7,000人(2014年実績:7,382人)
- 出展費用
- 無料(ただし出展に関わるその他の費用はご負担下さい)
- 出展募集
- 講座プログラム型:35講座、体験ブース型:65ブース
- お問合せ
- 特定非営利活動法人 natural science 事務局 大草芳江
〒980-0023 仙台市青葉区北目町4-7 HSGビル4階 Five Bridge 内
Tel.022-721-2035
URL http://www.natural-science.or.jp/
お問合せフォームはこちら - 備 考
- 独立行政法人 科学技術振興機構(JST)「ネットワーク形成地域型」採択事業
(提案機関:宮城県、 運営機関:特定非営利活動法人 natural science)
応援メッセージ
掲載順序は到着順です
宮城県知事 村井 嘉浩 さん
『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2015』が開催されますこと,誠におめでとうございます。
私たちの生活は,科学や技術の進歩により,日々便利になってきています。そして身の回りにあるモノや現象は,当たり前に存在するものとして見聞きしてしまいがちです。しかし,その成り立ちにはいくつかのプロセスがあり,そのプロセスを体感しようというテーマで始まった『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ』は今年で9年目を迎えました。県内の大学・研究機関,関連企業の皆さんの御協力の下,子どもから大人までが,楽しみながらそのプロセスを五感で体験できるなど,科学や技術を身近に感じられる絶好の機会として定着してきました。ぜひ,この体験を通して,科学や技術への理解を大いに深めていただきたいと思います。
本県は,震災からの復興に向け,県民一丸となって取り組んでいるところですが,このイベントに多くの企業様や県民の皆さんが参加され,宮城,東北を元気にするイベントになることを心から期待します。
仙台市長 奥山 恵美子 さん
このたび『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2015』が開催されますことを心よりお喜び申し上げます。
科学や技術の背景にあるプロセスを五感で感じられる場を提供されてきましたこのイベントも、今年で9年目を迎えられ、学都仙台ならではの取組みとして発展しておりますことを大変嬉しく思います。
平成27年度は、5か年の震災復興計画の最終年度となり、本市の復興は新たな段階へ進みつつありますが、さらにその先の課題であるこれからの人口減少社会では、仙台が東北発展の中枢として、地域経済全体を牽引していくことが求められています。
このイベントを通じて、子供から大人まで、広い世代にわたって多くのみなさまが学ぶ楽しさを体感し、科学に関心をもっていただくことで、仙台、東北、そして我が国の大きな力になっていただくことを期待しております。
国立仙台高専 校長・国立高専機構 理事・東北大学名誉教授 内田 龍男 さん
ここ仙台・宮城の地は、古くから「学都」として知られる学問の盛んな地域です。それに関連する大学を始めとしたさまざまな機関がたくさんありますが、これらの多くの機関と連携して、NPO法人natural scienceが学都「仙台・宮城」サイエンス・デイを2007年に立ち上げられました。その後毎年の開催で年を経るごとに出展者も参加者も増加の一途をたどり、今では毎年の一大定例行事となりました。若い世代から高年層まで幅広い年齢層にわたる人々がサイエンスを理解し、親しみを持っていただきながら、我が国の将来を担う人材を地域全体で育成していく文化をつくりあげていくことは、大変意義深いことだと思います。
natural scienceには心から敬意を表するとともに、今年も、これまで以上に活発で楽しいサイエンス・デイとなることを祈念しております。
東北大学理学研究科長 早坂 忠裕さん
好奇心と想像力
宇宙や地球、私たちを取り巻く世界はどうなっているのでしょうか?私たちは過去や未来とどのようにつながっているのでしょうか?人間誰もが疑問に思うことです。自然を対象にして、これらの疑問について考えるのが自然科学(サイエンス)です。今、世の中ではすぐに役に立つ科学技術や研究が必要だと言われていますが、歴史を振り返ってみると、見返りを求めず知的好奇心に基づいて進めた研究が大きなブレークスルーを作ってきました。大切なことは、何かを知りたい、解明したいという好奇心と、未知の世界を切り拓く想像力です。新しい発見につながる同じ現象を見ていても見えない人には見えません。好奇心と想像力を駆使した研究の積み重ねが人類共通の知的財産を作ることになります。自然科学の知識は研究者、専門家たちだけのものではありません。みんなのものです。毎日の生活の中で、少しでも自然現象をながめて考えることは、きっとあなたの心を豊かにしてくれることでしょう。
スリーエム仙台市科学館 館長 石井 鉄雄 さん
「科学ってなんだか難しそう」って思っていませんか。そんなあなたは、ぜひサイエンスデイに足を運んでみてください。
サイエンスデイには科学を専門に研究している大学や研究機関、科学技術を製品の開発などの仕事で活用している企業、部活動で科学に取り組んでいる学校の生徒さんなど、いろいろな形で科学にかかわっているみなさんが大勢集まり、わかりやすく、そして面白く科学の魅力を紹介してくれます。
『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ』では、普段はなかなか見ることのできない科学や技術を実際に見て、触れて、ためしてみること、そして科学をささえる多くの人たちと身近にふれあうことができます。私たちスリーエム仙台市科学館は、このすばらしい催しを心から応援しています。
宮城県高等学校理科研究会会長・宮城県仙台南高等学校校長 小田 浩一 さん
『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2015』の開催,おめでとうございます。主催のNPO法人natural science,ご協力いただいております関係諸機関,そして来場者の皆様にお祝いとお礼を申し上げます。今回で9回目となるサイエンスデイは,「理科」好きの子どもたちにとって,夏休み前の恒例行事の一つになった感があります。しかし,元々サイエンスとは「理科」とか「科学」に限ったものではなく,自然科学(natural science)から人文科学(social science)までを含む学術や学問の基礎(art and science)の一つとしてあるものです。このサイエンスデイがそのようなscienceの知的好奇心と探求の楽しさを体感できる催しとして充実・発展していることに注目しています。scienceの楽しさを体感し,好奇心をもった子どもたちは,やがて次の社会を創造し担う人材に育っていきます。宮城県の高校教育に携わる者の一人として大いに期待をしております。
仙台市天文台 台長 土佐 誠 さん
『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2015』の開催おめでとうございます。今年9年目を迎え、科学ファンにとっては仙台・宮城の夏の風物詩になりまし た。科学・技術は、その役に立つ成果に目を奪われがちですが、その本当の面白さは、科学・技術のプロセスにあると思います。「サイエンスデイ」は、科学や 技術のプロセスを五感で感じられる体験型イベントということで、科学・技術の本質に触れることのできるよい機会です。私にとっての科学の面白さ・科学の価値は、自然の理解が深まって世界が広がることです。科学には発見の喜びがありますが、自然を見る新しい目や考え方を発見することにより新しい発見があります。身近な自然のなかにも、考えてみれば不思議なこと、良く見れば不思議なことがたくさんあります。それを見つけて謎を解き、新しい自然を発見する、それが私にとっての科学です。今年も「サイエンスデイ」で自然をみる新しい目を発見できるといいなと思っています。
東北大学 副学長(研究力強化・機構改革担当) 金井 浩 さん
こんなに科学が発達しても,人間は光合成のできる木の葉を作ることはできません。似たものは出来ても本物とは程遠いです。必要な元素を組み合わせ単細胞生物のゾウリムシを作ることは,想像すら出来ません。20世紀の科学の発展によって確かに豊かな生活ができるようになりましたが,身の回りには,まだ解明されていないことの方が遥かに多いのです。不思議に思う「知的好奇心」を大切にし,自然や社会を相手に不思議を解明する学問が「科学(サイエンス)」です。そこでの発見をもとに,さらに人や社会を豊かにする発明などの学問を「工学(エンジニアリング)」と言います。このサイエンスディのテーマの「心豊かな」というのは,周囲や自然に関心をもち,受け身でなく積極的な気持ちで生きることだと思います。出品される多くは,こうした心豊かな方々の成果です。是非参加される皆さんの知的好奇心もさらに豊かになることを願っています。
東北大学 理事(産学担当) 進藤 秀夫 さん
昨年の我が国の科学技術のトピックといえば、やはり「高輝度かつ省エネの白色光源の開発を可能とした青色LEDの発明への貢献」に関連して日本の3研究者(赤崎勇先生、天野浩先生、中村修二先生)がノーベル物理学賞を受賞されたことでしょう。この発明の凄いところは、照明やディスプレーなどに広く使われる形で、世界の人々の生活を変え、新しい産業を生み出した点にあると言えます。科学技術はこうして、経済成長や社会課題解決、イノベーションの主要な手段として重用されていますが、その体系が複雑になるにつれ、「わかりにくく」「とっつきにくい」存在ともなってきているようです。しかしながら、現在もなお自然界には、宇宙誕生の謎や生命の神秘などをはじめ、「なぜこんなことが起こるのか?」という謎があり、多くの若者が、「どうすればその謎が解けるのか?」とか「どうすれば人間社会で再現したり活用したりできるのか?」といった挑戦を繰り広げてきました。その「好奇心」こそが科学技術の出発点といっても過言でないと思います。今年、サイエンスデイ2015にお越しになる子供たちや若者たち、そしてご父兄の方々にとって、このイベントが、新たな「謎」や「好奇心」を呼び起こし、科学技術の魅力を示してくれるようなものとなることを期待しています。
経済産業省 東北経済産業局長 守本 憲弘 さん
「科学」の力は、私たちの暮らしに欠かせないものです。特に、現在は、20世紀のエネルギー大量消費型の科学技術から、21世紀の自然と人間が調和した科学技術への大きな転換が起ころうとしている大切な時期といえるでしょう。燃料電池車、人の動きを助けるロボット、健康管理もできる腕時計型の端末など新しい製品も登場しつつあります。
新たな科学技術が製品になるまでには、研究者、アイディアを出す人、試作品を作る人、工場で製品の生産をする人、宣伝する人、販売する人とたくさんの人の協力があります。そして、それをつないでいるのは、社会を良くしていこうという貢献の心ではないかと思います。
サイエンス・デイは、科学や技術と暮らしとのつながりをわかり易く体験できる身近な場として、大変充実したものとなっています。みなさんが、科学や技術の楽しさを味わい、科学を通じて世界に貢献する可能性を感じていただけることを期待しています。
国立研究開発法人 産業技術総合研究所東北センター所長 松田 宏雄さん
今年も9回目の学都サイエンス・デイの開催準備が始まり、当初からお手伝いさせていただいている産総研東北センターにおいても、職員全員が大変うれしく思っております。私はこの4月につくば市から赴任して来たばかりで、このサイエンス・デイの概要を伺った時には、地域の自治体、企業、大学などの研究機関、高校、小中学校など、幅広い年齢層の皆さんが主体的に科学体験に参加している素晴らしいイベントがあるなあと感心しました。あの東日本大震災を乗り越えて、10年に及ばんとする科学体験の場がこのように成長してきた背景には、学都仙台宮城に住まう皆様の科学に対する熱烈な好奇心があるに違いないと敬服する次第です。
産業技術総合研究所は、科学技術研究の成果によって産業振興を図り、日本の生活環境を向上させる使命を担っておりますが、科学の恩恵は我が国ばかりでなく世界の平和と発展に寄与するものと信じて疑いません。皆さんが科学に興味を持ってさまざまな意見を発信する力を養うことが、平和な社会の基盤となります。そのようなきっかけを与えるサイエンス・デイの取り組みが、ますます発展されることを心から祈って応援して参ります。
一般社団法人 東北経済連合会 会長 高橋 宏明 さん
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2015』の開催、おめでとうございます。東北では今、科学技術や医療分野などで加速器を利用した、最先端産業の集積を図る動きが進んでいます。
その大きな柱のひとつが、「国際リニア・コライダー(ILC)」の東北への誘致です。このILCは、素粒子物理学の実験を行なう国際科学共同プロジェクトで、宇宙の起源の解明など数多くのノーベル賞級の研究が生まれることも期待されています。2013年8月にはこの分野の研究者グループで構成されるILC立地評価会議が、「ILCの国内候補地として北上サイトを最適と評価する」と発表しました。その後、世界の研究者が頻繁に北上サイトを訪問しています。ILCが実現すれば、東北に世界最先端の研究者や企業家等が交流する『国際科学技術イノベーション拠点』ができる可能性が広がります。
そして、これを実現するのは、次世代を担う子供たちです。このように「サイエンス・デイ」が盛会に開催され、子供たちの科学技術への興味関心を高める機会となり、それが輝かしい未来に繋がることを大いに期待しております。
東北大学 工学研究科長 滝澤 博胤 さん
科学や技術という言葉は、常に私たちの身の回りを飛び交っていますが、その中身について考える機会は少ないかもしれません。私たちの豊かな暮らしを支えるのも、また、未来に向かって人類が乗り越えていかなければならない課題を解決する力も、その本質は科学や技術にあるのだと思います。小さな発見・発明が、やがて世の中を大きく変革する力となることは、これまでも良く知られた通りです。「なぜだろう?どうしてだろう?」から始まる思索の過程の中で、事の本質を探求することが未来を拓く鍵になります。未来においてもこの地球や人類が持続発展していくためには、私達は何をしなければならないのでしょうか。自分の中で考え、そして答えを導き出す、このこと自体がサイエンスそのものなのでしょう。この「サイエンスデイ」が皆さんの心の中にある好奇心を触発し、未来を創造する源流となる発見・発明を生み出すことを期待します。